一つの仕事では生活が苦しかったので大学生時代に掛け持ちで家庭教師をしていました。当時、3人の中学生を担当して気付いたことがあります。それは、3人とも親が子供と上手くコミュニケーションが取れていないということです。家庭教師は勉強を教えるというよりは、子供のコミュニケーション相手になるというような意味合いが強く、まずは子供と打ち解けることが最優先であり、勉強そのものは二の次なのです。
子供が学校で何をした、子供は将来何を目指しているのか、何に興味があるのかを掘り出し、現在どういった問題があって勉強ができていないのかを親に報告するのです。ここが非常に重要で、親と子供の橋渡しをするというわけです。ここで信頼関係が築けなければ成績など伸びるはずもなく、家庭教師を呼ぶということは、子供の成績は塾にすら通えないほど低いものか、塾などの多数でのコミュニケーションを用いる学習が不可能かのどちらかです。大抵の場合は、塾にすら通えないほど学力が低い子供が対象となりますが、そこまで放置したのは完全に親の責任であり、子供だけの責任であるとは考えられないのです。
親は子供の成績が悪い理由が分かっておらず、子供は勉強に意欲を持てない何かの理由があります。家庭教師は時間給で見ると割りのいい仕事のように思えますが、それはそこの家庭次第でしょう。いい親、子供の環境に当たれば子供がもはや家庭教師を必要としなくなるまで付き合うことになりますが、親、または子供が悪すぎると1週間も持たずに辞めてしまいます。まずは親か子供、どちらでもいいので話ができる環境であることが望ましく、それができない環境では徒労に終わります。
話し合いの場を持つこと、これが本当に大切なことです。